ダークホース出現

それはそうだろうと思う。だって好きなのだ。

周り見えてなさすぎ

だって仕方が無い。ずっと見ているから。
ルルーシュだけを見てる。

だから私は彼が嫌いだ。



「ルルーシュ、ちょっといいかな」
「やれやれ……今日は何だ?」
 読書を中断して、彼は億劫そうに振り向いた。言葉も素っ気無い。だが、答えるその姿が相手を受け入れているなによりの証だ。恐縮した様子で教科書を見せる相手に、笑顔で席を勧めている。
きっと最初の姿はポーズだったのだろう。相手を困らせてみたい──そんな、ほんの少し悪戯心。
 女友達と話しながら、シャーリーはそれを見ていた。

ルルーシュ・ランペルージ

名前の前に何かつけるなら『クールで近寄りがたい』になりそうな少年だ。シャーリーも、親しくなるまではそう思っていた。時間を共有することが多くなっても、その思いを完全には払拭できない。 それでも惹かれるのは、ナナリーと一緒にいるルルーシュを見てからだった。身内に限定されているけれど、彼は大切に愛しむことも知っている。気遣う声も見守る目も優しい。

いいな。
どうすればそんな風に見てもらえるのかな。

学園では決して見られない彼の意外性に、シャーリーはあっさり陥落したのだった。
努力の甲斐あってルルーシュの中で自分は、友達に分類されているだろうと彼女は思う。そこから先になかなか進まないのが悩みだが、ルルーシュの人類区分には自分・妹・友人・その他・屑しかないようなので油断していたのだ。
ナナリーに並ぶほど大切な存在は、そうそう出てきたりしないだろうと。

「……どうして答えがこうなるんだ?」
「え?どこか違う?」
「答えは合ってる。だが公式が違う……何故だ?」
「ルルーシュ?」
「少し待て……………………………………駄目だ。何故こうなるのかが解らない。スザク、お前もう一度やってみろ」
「正しい解き方は教えてくれないの!?」
「後で教えてやる!」

それがなんと言うことだろう。

枢木スザク
隠れ項目『幼馴染』

こんな隠し玉あんまりすぎる。
身内限定の笑顔をあっさり受け取り、声をかけづらい空気もあっさり突破し、ふざけ合えるほど仲が良くて性格も良い。
スザクといるときのルルーシュは、前より声をかけやすいのだろう。時々、女子に挨拶をされているルルーシュを見るようになった。加えて、カレンのこともある。

シャーリーにとって、最近の状況はなかなかに危機的だと言えた。

「……おい」
「何?」
「使っている公式が、さっきと違うのは何故だ?しかも正しい」
「本当に?良かっ「良くない。俺が気持ち悪いままだ」

それもこれも全ては彼が原因。
枢木スザク。



だから私は、彼が嫌いだ。
シャーリーは女の子のステレオタイプだと思うので、恋愛至上万歳☆理不尽上等です。
恋に突っ走ればいい。