別行動隊


電子音がする少し前、彼はふと眼を覚ました。

「はい」
『・・・皆守だ』
「君が僕に電話をよこすとは、珍しいこともあるものだ。用件は何だい?・・・と言っても見当はつく」

間髪入れずに携帯に出た如月に、皆守は少し驚いたようだった。
長い間待たされることがよくあるのだろう。

「葉佩君に何かあったね」

簡単すぎる推理だった。
皆守が自分に連絡をとろうとする理由、むしろ原因は、彼しかしない。
彼のことでしか、甘んじて動く男ではない。。
如月の言いたいことが解ったのだろう、忌々しげに舌打ちして皆守は話を切り出した。

『いなくなった。探せないか?』
「いない?」
『ああ、ずいぶん遠くのコンビにまで足を伸ばしたみたいでな。迎えに行こうにも携帯が繋がらない』
「それは・・・・君も大変だね」
『探せるのか探せないのか、どっちなんだ?』

一人で動かざる終えない彼の心中を察し、如月は深く同情する。

「もちろん探せる」

従兄弟同士のせいか、葉佩の氣は龍麻の氣と近い。
少し力を使えば簡単に探り出せる。

「・・・・・多分、真神にいる」
『真神?葉佩は天香だぞ?』
「まぁ、従兄が通った学校が見たいってところだろう」
『・・・・解った。感謝する』

如月の返事を待たず、皆守は電話を切った。
葉佩は従兄に心酔している。
何かあれば、従兄はこうだったああだったと煩い。
如月としては仲間の話ができて嬉しい限りだが、皆守としてはそれが面白くないようだ。
不機嫌さが隠しきれていないその態度に、如月はまだまだ青いと評価を下した。