兵 器破壊


「だから〜、呪いを受けると猿になったりするんだよ」
「そんなワケあるか」
「化人はよくて妖怪がダメなんて差別だ」
「見たものは信じる」
「だーかーらー」
「忍び込むってのか?化物がいる場所に、何の用意もせず?」
「信じてないって顔がムカツク」

真神からの帰り道、葉佩はずっと旧校舎の話をしていた。
その全ての出来事を、皆守は一刀両断。全否定だ。

「原理が理解できないものは信じない」

嫌な話だが、化人の原材料はなんとなく想像できる。
だが、陰とか陽とか言われてもイメージできない。
多分そんなところだろうと葉佩は推測する。

「な〜る。だから信じてないんだな」

葉佩は面白くなさそうに口を尖らせた。

「信じてないって・・・お前の従兄の武勇伝をか?あんな話、誰でも信じないと思うがな」
「It is not the talk」

右の人差し指を左右に振りつつ、葉佩は皆守を見上げる。

「人間というか、俺たちというか・・・・俺っていうか。信じてないよな」
「何の話だ?」

大した役者だ。
いつもと変わらない皆守の態度に、葉佩は微笑んだ。
呼べば拒まない、事なかれ主義の皆守。
双樹も阿門も皆守を知っている。
皆守も二人を知っている。
立ちはだかる生徒会。
姿を見せない副会長。
誰に聞いても何も知らない。
一般生徒は墓地に入れない。
中身ははっきりしなくても、輪郭くらいは見えてくる。

「まだ俺のものじゃないねって話」
「九ちゃん・・・・お前、熱ないか?」
「Arms destruction・・・やっぱお友達計画はこれからなのか?」
「おい、本当に大丈夫か・・・・って、どうした?」

ぶつぶつと意味不明なことを呟いていた葉佩を心配し、額に手を伸

ばした皆守はその手を止めた。
葉佩が自分をジロジロと見ているからだ。
頭から爪先まで。何往復も。
葉佩の奇行はいつもの事、大抵は流せるようになった皆守だが、これは流石に気持ち悪い。
だが、止めさせようと口を開く前に葉佩が無邪気に先手を打った。

「甲の弱点って、アロマパイプですかぁー?」

葉佩は信じている。
友達を作るには戦うのが一番だと。






うちの葉佩は従兄殿以外の話は覚えておけない子なの で、色々間 違ってます。
そのうち天香の子たちの話も覚えておけるようになるかと・・・・・。

つっても、この話の時間ってどう見ても夷澤と次の人の間なんだけどね!