笑顔で歓声に答える応える葉佩。
その下で必死の抵抗をする夷澤。
っていうか、これはボクシングじゃない。




何で俺は足蹴にされているんだ!?

彼、夷澤凍也の疑問は尤もだった。実際のところは、足蹴ではなく尻に敷かれているのだけれども。

「いい加減退いて下さい!」
「ダメダメ、人は屈辱に耐えて大きくなるのだよ」
「あーそーですか!だからアンタは大きくなれなんですねッ!」
「と・お・や・くん、もう一度言ってごらん?」

背中にかかる体重が増し、夷澤は呻き声を洩らした。

「悪い子はオシオキだぜ」

ケラケラと笑う葉佩は、夷澤の願いを全く覚えていないようだ。
屋上で居眠りをしていた葉佩に、夷澤はボクシングの相手を願ったのである。
銃も刃物もかなり使える葉佩だが、一番の得手は体術。
小柄な身体はスピードがあってもパワーとスタミナが無いと、容赦なく急所を狙い続ける。
接近した敵の攻撃を避けるだけの技量と急所を貫く技術。
そんな葉佩九龍に、夷澤はコロッと傾倒した。
だが、それは遺跡内限定の葉佩九龍だったらしい。
昼間の葉佩九龍は、ただの自分よりちまい躁病男だった。
ボクシングの相手を頼むと投げ技で返してくる無茶苦茶な男だった。

「夷澤〜、ギブ?」
「冗談じゃない!!」
「It is very interesting!」

葉佩は目をキラキラさせて技を繰り出し、おおいに見物人を沸かせた。



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えぇ・・・・解りませんとも。英語があっているかなんて解りま せんとも。